里山の自然は人の暮らしと無縁の手つかずの自然ではありません。その生物多様性は、地域の共同体との共生関係の中で保たれてきたのです。
里山は、その自然を愛おしみ、じっくりと手をかけて手入れをする人間なくしては存在しえないものです。
里山を暮らしの基盤とする共同体は時代と共に消えていきました。
それゆえ、里山を想うことはもはやノスタルジーでしかないのでしょうか。そうではないと私たちは考えます。
社会は明らかに一つの転換点にさしかかっています。大人も子供も一緒にまた里山で遊び、自然の恵みを受け取る苦労と楽しみを共有しながら、その風景を守り続けることができる新しい地域社会を大都市のただ中で育てていきたいと考えます。
それは失われた価値へのノスタルジーではなく、新しい社会的価値の創造です。
平針の里山は失われましたが、このような視点に立って訴訟や啓蒙など諸々の活動を続けてゆきます。
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