3、破壊の状況

 COP10名古屋の会議の最中の2010年10月25日に樹木の伐採が始まり、1週間程度でほとんどの樹木は切り倒されてしまいました。途中にタヌキが棲家を追われて、さまよい歩いている姿も見られました。溜池の周囲の木々も溜池に向かって全て倒されてしまいました。

2010年11月初旬

木々も竹も伐採された後は緑色を失い、里山は日に日に醜い姿になってゆきまいした。

2010年11月中旬

大きな溜池の堰が決壊されました。その後重機が泥土にはまり込んで動けなくなるというトラブルも起こりました。

2010年11月下旬

大量の土砂が搬入され大きな溜池はほとんど姿を失いました。

2010年12月上旬

外縁部の木々も切られ、溜池跡では土質改良剤が大量に撒かれ、山の形も徐々に失われて行きました。

2010年12月中旬

毎日大量のダンプカーによる土砂を搬入が続きました。古窯が発見され鎌倉時代と思われる土器の破片が沢山出土しました。市の調査員が来た時にはほとんど破壊されてしまっていました。

2010年12月下旬

破砕機が搬入され、伐採された竹が砕かれチップの山が幾つも出来ました。そのチップの山が発酵や酸化で蓄熱し白煙を上げ、消防が出動して消化剤を噴霧する騒ぎが発生しますた。

2011年1月

車輪の泥を落とす装置が年末に設置され、仕事始めから稼働。この騒音がものすごい。破砕機の横に騒音対策と称してシートの壁が設置されましたが、ほとんど効果は有りませんでした。

埋め立てたはずの溜池付近にすぐに水溜まりが出来ます。この辺には湧き水が有りました。 

粉塵を撒き散らしながら竹の破砕が続けられました。積み上げられた竹が無くなるとそこにも大きな水溜まりが出来ていました。時として、チップの山から噴煙が。恐らく湯気なのでしょうが、知らない人が見ればやはり煙に見えます。

2011年2月

開発区域の外側の道路は大量のダンプの通過によりガタガタになっていました。強風の吹く日にフェンスの一部が倒壊しかかりました。支柱の支えの強度不足でしょう。大雨の降った日には、保水力を無くした里山から流れ出た雨水で周辺の側溝が溢れかけました。何かと周辺に迷惑と心配をかける事態になっていましたが、工事事務所が設置されないので、お話し合いのしようが有りません。

2011年3月

3月1日に重機が搬出され工事が中断しました。周囲から眺めてみると少しの雨で、池と行っても良いような大きな水溜まりが幾つも出来ていました。

春の訪れ

周辺の森に山桜が咲きました。それに続いて破壊された里山のあちこちで雑草に混ざって筍が生え、たんぽぽが花を咲かせているのを見ることが出来ました。

工事が止まって静かになった里山に鳥たちも戻ってきました。大きな水溜まりのほとりにカモ。毎朝ケンケン、ケンケンと里山中に響き渡るように啼くキジ。ケリ(千鳥科)がキッキキと叫びながらカラスを追いかけて自分の領分を主張しています。